グローバルミニマム税(Pillar 2)対応の追加告示を公表

2026.01.05
税金ニュース

従業員報酬および有形資産価額の算定方法を明確化

タイ歳入局は、OECDが主導するグローバルミニマム税(Pillar 2)に対応する国内制度であるTop-up Tax(追加税)について、従業員報酬および有形資産価額の算定方法を定めた歳入局長告示(第4号)を公表した。

本告示は、GloBEルールに基づくTop-up Tax計算において重要となるSubstance-based Income Exclusion(実体基準控除)の算定に直接影響するものであり、多国籍企業(MNE)グループにとって実務上の重要性が高い。

1. 従業員報酬の取扱い

Top-up Tax計算における「従業員報酬」は、原則としてグループの連結財務諸表に計上された人件費を基礎として算定される。

算入対象

  • 給与、賃金
  • 賞与
  • 社会保険料
  • 雇用主が負担する税金・負担金等

対象となる人員

  • 正社員
  • パートタイム従業員
  • 独立請負人(Individual contractors)

算入範囲の制限

  • タイ国内で実際に勤務した分のみを算入
  • 以下に該当する部分は除外
    • 固定資産として資産計上された人件費
    • 特定の海運所得に関連する人件費

2. 有形資産の取扱い

有形資産については、連結財務諸表上の帳簿価額(減価償却後)を基準として算定する。

対象資産

  • 土地
  • 建物
  • 機械・設備
  • 天然資源
  • 使用権資産(Right-of-use assets)

会計基準

  • IFRS または Thai GAAP に基づく連結財務諸表の数値を使用

リース資産

  • リース取引については、会計基準に沿った特例的な取扱いを規定
  • 使用権資産の認識・評価方法がTop-up Tax計算に反映される点に留意が必要

3. Flow-through Entity(透明性法人)の取扱い

LLP等のパススルー(透明性)法人についても、本告示で詳細な取扱いが定められている。

  • 所得・従業員・有形資産をどの国に帰属させるかを明確化
  • GloBEルール上の帰属判定に基づき、Top-up Tax計算に反映

多国籍グループ内でパススルー法人を利用している場合、税務ポジションへの影響が大きくなる可能性がある。

4. 適用開始時期

本告示は、2025年1月1日以降に開始する会計年度から適用される。

5. 実務上の影響と留意点

本告示は、タイにおけるPillar 2対応を具体化するものであり、特に以下の実務に影響を及ぼす。

  • タイ法人の GloBE所得計算
  • Substance-based Income Exclusion(人件費控除・資産控除) の算定
  • リース資産の会計処理と税務上の反映
  • パススルー法人の帰属国判定

Top-up Taxの計算は極めて複雑であり、多国籍企業グループ向けの高度な専門ルールとなっている。 今後、タイ子会社を有するMNEグループは、連結ベースでのデータ整備や会計・税務の連携を一層強化する必要がある。

ご質問・ご相談は気軽にお問い合わせください

お電話でのお問い合わせ

+66-2-117-1173

電話受付時間:平日 9:00〜17:00

メールでのお問い合わせ