1月23日付 海外源泉所得持ち込みの新基準に関するFAQ

2024.01.29
お知らせ

1月23日付 海外源泉所得持ち込みの新基準に関するFAQ

Q1. 歳入局通達161号および第162号の原則は何ですか?

歳入局通達161号および第162号は、タイ国税法第41条第2項に基づく税法の原則を説明しており、以下の要素に該当する場合、タイ国外源泉所得に対し個人所得税を支払う義務があるというものです。

 

(1)2024年1月1日以降にタイ国外源泉課税所得があり、かつタイに180日以上居住している人

(2)その課税年度またはその後の課税年度にその課税所得をタイに持ち込んだ場合。

 

上記の両方の要素が満たされる場合、その人は、その課税所得がタイに持ち込まれる課税年度の個人所得税の計算にその課税所得を含める義務があります。

 

例1)課税年度2024年に、A氏はタイに合計200日間滞在し、海外にある不動産の賃貸による課税所得があります。このケースは、要素(1)を満たすと考えられます。つまり、A氏はタイに180日以上滞在し、その課税年度に国外源泉からの課税所得があると考えられます。その後にこの課税所得をタイの銀行口座に入金した場合は、要素(2)が満たされる、つまり、A氏は当該課税年度またはその後の課税年度にその課税所得をタイに持ち込んだとみなされます。その結果、A氏はタイに持ち込んだ課税所得を2025年の課税年度の個人所得税の計算に含める必要があります。

Q2. 歳入局通達161号および第162号はいつ発効しますか?

2024年1月1日に発効し、以降タイに持ち込まれる課税所得に適用されます。

 

例1)2023年および2024年の課税年度において、A氏はタイの居住者です。A氏は2023年度に海外の銀行預金の利子による課税所得を得ています。また2024年度に海外にあるコンドミニアムの賃貸による課税所得があります。その後2025年度に両方の課税所得をタイに持ち込んだ場合、2024年1月1日より前に発生した課税所得であるため、A氏は利子に対する税金を支払う義務がありません。しかし、2024年1月以降に発生した課税所得であるため、A氏は2025年の個人所得税の計算する際に、海外のコンドミニアムの賃貸による課税所得を含める義務があります。

例2):2024課税年度において、A氏タイの居住者です。海外で配当による課税所得を得た2025年度に、A氏は国外の配当による課税対象所得をタイに持ち込む場合、A氏は、2025年の個人所得税の計算に、2024年1月1日から課税対象となるため、国外の配当による課税所得を含める義務があります。

Q3. 2024年より前に受け取った課税所得が2024年にタイに持ち込まれた場合、課税されますか?

2024年1月1日より前に発生した課税所得であるため、課税されません。

 

例1)2022年度に、A氏は合計180日を超えてタイに滞在し、また海外でアドバイス業務を行いました。2024年度にA氏は50,000バーツのコンサルティング料を受け取り、当該コンサルティング料をタイに送金した場合、A氏は、2024年度の課税所得に、国外でのコンサルティング料による課税所得を計算に含める必要はございません。

Q4.「タイ在住者」とはどういう意味ですか?

その年の1月1日から12月31日までの間に、連続した1つの期間または複数の期間を合わせてタイに滞在する合計180日以上の人です。その人の国籍や民族は考慮されません。

 

例1)A氏は2024年1月から12月までの合計366日、毎日タイに滞在しています。A氏は、2024年度タイの居住者です。

例2)B女史は、2024年の特定の月のみ、合計184日間タイに滞在してします。B女史は2024年度タイの居住者です。

例3)B氏は、2024年1月から12月まで、合計179日間タイに滞在していました。B氏は2024年度タイの居住者ではありません。

例4)C氏は、合計250日間連続してタイに滞在しており、最初の100日間は2024年、後の150日間は2025年です。C氏は両方の課税年度においてタイの居住者ではありません。これは、C氏がタイに滞在していた期間がそれぞれの年度で180日未満であるためです。

Q.5 課税年度内に180日以上タイに滞在していないが、その課税年度に国外源泉からの課税所得がある場合、その課税所得をタイに持ち込む際に個人所得税を支払わなければなりませんか?

たとえ課税所得がタイに持ち込まれたとしても、個人所得税は必要ありません。
(補足:税務上のタイ非居住者は、タイ国内源泉所得のみが課税対象です)

 

例1)2024年に、A氏さんは合計65日間タイに滞在し、その年に海外にある不動産を貸して課税所得を得ました。そして、同年、A氏は当該所得をタイの銀行口座に送金しましたが、課税対象となる所得が発生した時点ではA氏はタイの居住者ではなかったため、2024年度にはその賃貸料に対して個人所得税を支払う必要はありません。

Q6. 歳入法第41条第2項に従って、どのような種類の課税所得が所得税の対象となりますか?

個人所得税の対象となる国外源泉からの課税所得は、歳入法第40条(1)から(8)に従って考慮されます。ただし、歳入法により非課税となる課税所得の場合は、その非課税課税所得を顧慮する必要はありません。例えば、課税年度を通じて2,000万バーツを超えない範囲で、親、子孫、配偶者からの扶養として相続や所得を受け取る場合などです。

Q7. 投資を上回る収益(CAPITALGAINS)はどのように計算されますか?

課税所得は取引ごとに計算します。投資を超過した部分のみが、販売価格から取得日の取得原価を差し引いた税務上の計算に含める必要がある所得となります。費用は、活動および資産の種類に適した、一般に受け入れられている会計方法の使用に基づいて計算されます。

Q8. 課税所得をタイに持ち込むとは、どういう意味ですか?

タイに課税所得を持ち込むためのあらゆる手段を意味します。例えば、銀行口座を通じた課税所得の送金、オンラインシステムによる課税所得の送金、または課税所得を国内に持ち込む、等々です。

Q9. 顧客が毎年追加投資を行っており、その間に資金の一部がタイに持ち込まれた場合、元本または利益としてどのように計算しますか?

タイに所得を持ち込んだ納税者には、持ち込まれた資金が課税所得の一部または投資の一部であると思われるという事実に基づいて自らを評価する義務があります。

Q10. 海外に送金してタイに持ち込む場合、税金を支払う必要がありますか?

投資資金を海外に送金し、その資金をタイに再度送金する場合には税金はかかりません。

 

例1)A氏は外国投資口座に200,000バーツを送金したが、その後当該投資口座を閉鎖し、200,000バーツをタイに再度持ち込みました。このような資金は課税所得とは見なされず、A氏はそのような資金をタイに持ち帰る際に所得税を支払う義務はありません。

Q11. 海外の銀行にお金を預け、その預金から利息を受け取りました。その後、元金と利息はタイに持ち込みますが、元本と利息は個人所得税の計算に含めなければなりませんか?

元本には税金がかかりません。ただし、利息は歳入法第40条(4)(a)に基づく課税対象所得であり、利息を受け取る課税年度にタイに持ち込まれ、タイに180日を超えて滞在している場合、その利息に対してのみ所得税を支払う必要があります。

 

例1)課税年度2024年に、A氏はタイに合計180日以上滞在し、海外の銀行に50,000バーツを預け入れました。その後、課税年度2025年に、A氏は全額をタイに送金しました。A氏は、課税年度2025年の個人所得税の計算には、2024年1月1日から課税対象となる外国預金利息のみを含める義務があります。

Q12. 課税所得の計算にはどのような為替レートを使用する必要がありますか?

資金がタイに持ち込まれた日の為替レートです。

Q13. 投資して海外の株を買いました。年末に、まだ株式が売却していませんが、海外株価が上昇しました。税金を支払わなければなりませんか?

当該株式は売却していないため、資本金以上の利益を受けておらず、税金はかかりません。したがって、歳入法第40条(4)(g)に規定の課税所得があるとはまだみなされていません。

 

例1)課税年度2024年に、C氏は合計180日を超えてタイに滞在しました。2024年3月15日に海外で100株、1株当たり1,000バーツ、合計10万バーツで株式Aを取得しましたが、その後、2024年12月31日には株価が1株当たり1,100バーツに上昇したため、Cさんは含み益を抱えています。未実現利益は2024年12月31日に10,000バーツ増加しましたがC氏はまだ株式Aを売却していません。したがって、歳入法第40条(4)(g)に基づく課税所得とはみなされません。

 

例2)その後2025年に、C氏は合計180日を超えてタイに滞在し、C氏はA株を売却しました。海外では、2025年6月1日に80株を1株あたり1,200バーツの価格でしたので、Cさんは2025年6月1日に16,000バーツの利益(実現利益)を得ました。これは、かかる株式の売却から得られる利益からの課税所得とみなされ、歳入法第40条(4)(g)に従って資本超過収入として評価されます。しかし、C氏がまだ売却していない残りの20株のA株については、歳入法第40条(4)(g)に従って、まだ課税所得とはみなされません。

 

例3)その後2026年の課税年度に、C氏は、2025年6月1日に80株のA株を売却して得た利益を持ち込みました。これは、歳入法第40条(4)(g)に従って課税対象所得とみなされます。C氏は、海外での株式の売却による課税所得は2016年1月1日以降に発生した課税所得であるため、2026年度の個人所得税の計算に含める義務があります。

Q14. 外国に長期間居住し、勤務または事業を行っていましたが、その後、タイに戻って暮らしたいと考えました。そのため、海外で働いたり事業を運営したりして貯めた資金をタイに持ち込みましたが、そのような資金をタイに持ち込むと税金を支払わなければならないのでしょうか?

税金は必要ありません。海外で働いたり事業を運営したりして得た資金をタイに持ち込む場合、その資金は、その人がタイに滞在していた期間が180日未満である課税年度に発生した課税所得から得られるものであるためです。

 

例)D氏はタイ国籍で、2007年に中国に移住しました。しかし、2024年にはD氏はタイに戻って永住したいと考え、中国での事業活動で蓄積された資金すべてをタイに持ち込みました。このような資金は、D氏がタイの居住者ではない年に蓄積された資金であるため、D氏は2024年にタイに持ち込んだ資金に対して個人所得税を支払う義務はありません。

Q15. 課税所得が外国所得税の対象となる所得の場合、その所得を再びタイに持ち込ん場合、税金を支払う必要がありますか。また、海外で支払った所得税を二重課税を排除するために持ち込むことはできるのでしょうか?

税務上タイの居住者である場合(タイに180日以上居住)、二重課税はありません。タイの二重課税防止条約の規定に従い、課税所得がタイに持ち込まれる課税年度に、タイで支払うべき税額から海外で支払った税金を控除することができます。

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