歳入局発令161号/2023年:歳入法第41条第2項に基づく所得税の支払いの件

2023.11.24
税金ニュース

タイ国歳入局発令161号/2023年(以下「当発令」)により、"2024年度の個人所得税確定申告より、タイ国外で得た所得をタイ国内に持ち込んだ場合、その所得を過年度に得ていた場合も課税所得 とする"ことが決定されました。

ポイント

  • 当発令の対象は、歳入法第41条第3段落によって定められる、タイ税法上の居住者「当該課税年度内(1月1日から12月31日まで)にタイ国内に合計で180日以上滞在した者」が対象となります。
  • 現在はタイ国外で得た所得を、その所得を得た年度にタイ国内に持ち込んだ場合のみ、課税対象でした。例えば2021年にタイ国外で購入価額100の株式や不動産を、120で売却し(所得は“20”=120-100)、翌年2022年にこの“20”をタイ国内に持ち込んだ場合、翌年2022年度確定申告では、この“20”を所得に含める必要はございません。
  • 当発令により、2024年度個人所得税確定申告(*1)以降は、その国外所得を得た年度がいつであったかに関わらず、タイ国内に持ち込んだ分は課税対象となります。(*1) 課税対象期間は2024年1月1日から2024年12月31日で、原則翌年2025年3月31日までに申告・納付します。<例2> 例1のケースでは、この“20”を2024年度にタイ国内に持ち込んだ場合、2024年度確定申告を行う際に所得に含める必要があります。
  • なお、タイ国と二重課税防止条約を締結している国(日本も含まれます)で所得を得て、その国で既に納税していた場合は、外国税額控除と言い、タイ国での納税額より減額することが出来ます。<例3> 例1のケースで“20”の所得について、タイ国外で税金を納税済だった場合、一定の計算方法のもと、この“20”をタイでの所得税から納税済というように計算することができます。
  • 税法上はタイ国内に“持ち込んだ”(ได้นำเข้ามาในประเทศไทย)としか規定されていませんが、一般的に現金による持ち込み(*2)や国外からの銀行送金が想定されます。なお、タイ国外のクレジットカードやデビットカードによるタイ国内での使用(引き落とし)につきましては、“日常の経費として認めるから対象外”とのコメントを税務署担当官より得ています(*3)。(*2)タイ国外からの15,000 米ドル相当以上の現金持ち込みは税関申告が必要です。(*3) 規程で明確に定められておらず、あくまでも担当官の所見と思われる点にご留意下さい。
  • お金に色は無いので、もともとあった資本の持ち込みと、所得の持ち込み、どうやって判別するかについて税務署に回答を求めましたが回答は得られませんでした。そもそも資本というのは過去の所得の累積ですから、国外から送金したら全部を過去の所得だと言って課税するのか、とも聞きましたが、担当者は回答ができませんでした。
  • タイ国は日本と同様、自己申告に基づいて確定申告および納付を行います。税務調査等により発覚した場合、延滞税(1.5% /月)や無申告による加算税(納税額の200%)等が課される他、内容によりましては刑罰の対象となる可能性もある旨ご留意下さい。

今後のご対応

  • 国外発行のクレジットカードやデビットカードをタイ国内で使用することについては、税務署からの口頭による見解ではありますが、神経質になる必要は無いと思われます。ただし、アメリカンエクスプレスのセンチュリオンカード(いわゆるブラックカード)など、限度額が無制限のカードの場合ですと、消費と言えないような物や多額の購入額などは気を付けた方が良いかもしれません。
  • 今後タイ国内でコンドミニアムを購入する予定がある、タイ国内で消費ではなく資産となるようなものを買う予定がある等、過年度にタイ国外で得た所得を、タイ国内に持ち込むことを予定されている場合は、安全をもって2023年12月31日までに持ち込むことをご検討下さい。
  • タイの場合、年の途中に年初に遡って法律を改正することがあります。今回、公表された税制改正内容についても、実務上の対応ができない点があるなど税的な検討が不完全であったと思われるので、今後発表された税法が改正される可能性もあります。よく発表内容をフォロ ーしてください。

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